CASE STUDY
AI駆動開発により定量分析からわずか1ヶ月で改善版プロトタイプを構築
株式会社TAPP様
AI技術が急速に進化し社会への浸透が進む中、TAPP様は「時代の流れに合わせ、営業プロセスにもAIを取り入れる必要がある」と考えており、その中で次のような課題を抱えておられました。
「AI時代のWeb接客」の実現方法
従来の対人営業やWebマーケティングに加え、時間や場所を問わずTAPP社内の営業担当者と同等の顧客対応ができる会話型AIを導入し、AI時代ならではのWeb接客を実現したいが、その実現方法がわからずにいた。
「営業プロセスへの組み込み方」の具体化
「AIを使いたい」という構想はあるものの、それを具体的にどう営業フローに落とし込み、成果(CV)に繋げるかの明確なロードマップが描けていなかった。
初めてのAI開発に対する「コストと実現性」の不安
「どれくらいの予算が必要か」「やりたいことが技術的に可能なのか」といった相場観や進め方が分からず、手探りの状態であった。
実現に向けて複数の開発会社を検討する中で、Hakkyに問い合わせをいただきました。

「資産形成に安心の灯りを。」をコンセプトに、投資初心者の不安に寄り添う「あかりAI」を開発しました。あかりAIは、自社の資産運用セミナーで蓄積した相談事例とユーザーの質問傾向を学習させた会話型AIです。投資初心者がチャットで質問するだけで、資産形成に関する情報やセミナーの案内を受けることができます。
あかりAIに実装した主な機能は以下の通りです。
▼クイックリプライ機能

ユーザー自身が質問を考えずとも、会話の文脈をAIが読み取り、次の質問候補を自動生成/提示することでストレスフリーな会話を実現。
▼ライト / ディープモード

応答速度重視の「ライトモード」と、詳細な解説重視の「ディープモード」を切り替え可能にし、ユーザーの温度感に応じて応答深度を変更できる。
本プロジェクトのポイントは、「AIによる実装速度の加速」「ビジネス成果に直結するプロダクトの開発」「営業担当者と同等の接客品質の再現」の3点に集約されます。
ポイント① | ポイント② | ポイント③ |
リリース前:AI駆動開発により1週間足らずでプロトタイプを構築
本プロジェクトでは、開発の初期段階から「実際に動くもの(=プロトタイプ)」を触って評価を行うことで、自然な会話体験を創出することを最優先しました。
AI駆動開発で生産性を最大化させることで、わずか1週間でプロトタイプを構築し、全体の開発期間は10ヶ月で完了しています。

■ 要件定義・技術検証
プロダクトの評価については、想定ユーザーごとの質問集を作成し、それぞれの会話体験の評価基準を設計したうえで、現場担当者(TAPP様の営業やマーケティング担当の方々)を巻き込んで評価しました。
プロジェクト早期からプロダクト改善のフィードバックループを回せる環境を構築したことで、応答品質の基準を具体的にすり合わせることができ、プロダクションフェーズの品質向上に大きく貢献しました。
■ 会話ロジック検証
実際のプロダクト開発では、まず最初にTAPP様社内の資産運用や接客に関する膨大なデータ(ドキュメント / 営業マニュアル / 動画等)を標準化・構造化し、AIが参照しやすいデータに変換。
この整備されたナレッジとHakky社内の開発資産(社内ドキュメント / プロトタイプ構築用プログラム等)を、最新のAI開発ツールに参照させることで、会話ロジックを検証するためのプロトタイプを1週間足らずで構築しました。
■ プロダクション
リリースに向けたアプリケーション(UI・API連携・インフラ等)の開発と、運用マニュアルの整備を行いました。
並行して、実アプリケーションをベースにTAPP様社員も巻き込んだ回答精度の評価/改善を実施しました。
無事にリリースはできたものの、リリース直後の会話数やCV数は当初の想定KPIを下回る結果となりました。
■ 定量分析/対策立案
改善のためにユーザーの利用実態とシステムの挙動ログを定量的に詳細分析しました。
分析の結果、「会話内容の質(会話の続けやすさ)」にばかり意識が向いたプロダクトとなっており、「会話の始めやすさ」が担保されていなかったことがわかりました。

▼ユーザーの初期離脱が発生した3つの原因
1)ユーザーの負担が大きい
質問を考えるのが面倒 / 会話のテンポが悪い / 応答速度が遅い
2)パーソナライズ感が欠如している
温度感(軽く会話したい / 深く知りたい等)に合わせた応答がない
3)目的のない会話展開でモチベーションを失いやすい
際限なく会話が続き終わりが見えない
上記の原因を解消し、「会話の始めやすさ」を担保するため、2点の対策(クイックリプライの改善 / 会話モード切り替え機能の実装)を立案しました。
■ プロトタイプ構築/本番反映
AI駆動開発(テキストの指示だけで画面デザインを作れる「v0」を用いたUIの高速構築とコーディングを自動化する「Cline/Devin」による実用コードへの落とし込み)で改修を行い、約1ヶ月で改善版のプロトタイプを構築しました。
実践した2点の対策の詳細は以下の通りです。
1. クイックリプライの改善
ユーザーが聞きたいことを先回りした質問項目の提示だけでなく、例えば資産形成についてユーザーの思考整理を補助したり、自分に合った情報へ導く質問を提示。会話の停滞を防ぎつつ、ユーザーへの提案に必要な情報収集も自然な流れの中で行えるようにしました。

2. 会話モードとしてディープ・ライトを用意
「軽く会話したい / 深く知りたい」といったユーザーの温度感に合わせて、「文字数が少なく簡潔な回答」と「文字数が多く詳細な回答」をクリック一つで切り替えられる機能を実装。

上記2つの対策を行った結果、最終的にCV到達率をリリース直後の約3倍にまで引き上げることに成功し、想定KPIに到達しました。特にライト/ディープモードの切り替えを可能にし、様々なユーザーの温度感に対応したUI/UXを提供したことが成果につながりました。この一連のプロダクト改善の過程から、ペルソナに対する解像度の高さが非常に重要であることを再認識しました。
TAPP様の営業担当者が実践する「空気を読んだ自然な会話展開(ヒアリングから提案への移行)」と、社内ナレッジに基づく「専門的で正確な回答」をAIで再現。ユーザーに不快感を与えず、自然と会話意欲を高めるWeb接客を実現しました。
▼技術的な詳細や実際のデモはウェビナーアーカイブでご覧いただけます
【株式会社TAPP共催】資産形成に特化させたチャットAIサービス「あかりAI」の開発と体験会
TAPP様にとって本プロジェクトはAIプロダクト開発における初めての試みであり、「どれくらいのコストがかかるのか」「自分たちの実現したい構想が技術的に本当に可能なのか」といった不安を持たれていました。
複数の開発会社を検討される中で、最終的にHakkyをパートナーとして選定していただいた背景には、大きく3つの理由があったと伺っています。
1.丁寧なヒアリングによる現実的な提案
「やりたいことのイメージはあるものの、具体的な要件としてうまく言葉にできない」という状況であったため、Hakkyは一つ一つの意図を丁寧にヒアリングして汲み取ることに気をつけました。その上で、技術的に「できること・できないこと」を整理し、予算内で実現可能な現実的なプランに落とし込んだ点を高くご評価いただきました。
2.企画から運用まで一気通貫した開発支援実績がある
今回のプロジェクトでは、企画提案の段階から入り、開発、リリース後の改善や運用までをトータルで伴走することが求められていました。Hakkyがこれまで蓄積してきた一気通貫での開発支援実績が、初めてのAIプロジェクトを推進する上での大きな安心材料になったとのことです。
3.完成形を押し付けない柔軟な姿勢
最初から完成形を押し付けるのではなく、「プロダクトを通して実現したいことを相談しながら柔軟に進められるAIプロダクト開発のパートナー」というスタンスを評価いただけました。
▼Hakkyを選んだ理由についてはウェビナーアーカイブの11:06からご覧いただけます
【株式会社TAPP共催】資産形成に特化させたチャットAIサービス「あかりAI」の開発と体験会
現在リリースされている「あかりAI」はβ版となっており、今後もユーザーのフィードバックをもとに継続的な機能拡充を進めてまいります。音声対話機能や詳細な情報提供機能などを順次追加し、資産形成に関する「学び」をサポートする総合AIプラットフォームへと進化させる計画です。
今回のプロジェクトを通じて得た学びは、AIの性能とユーザーが求める体験は必ずしもイコールではないということでした。
リリース当初は、「いかに自然で質の高い会話を成立させるか」というAI側の挙動にばかり意識が向いていました。その結果、投資初心者が抱える「そもそも何を聞けばいいか分からない」という”会話を開始する際の心理的ハードル”を見落としており、リリース直後のKPI未達を招きました。
定量データをもとにユーザーの行動を分析したことで、「会話の質」以前に「会話の始めやすさ(認知負荷の低減)」が必要であることに気づけました。最新のAI技術(AI AgentやRAG)はもちろん重要ですが、それをユーザーが迷わず使えるUXへと落とし込むことが更に重要だと再認識しました。
Hakkyは単に「AIプロダクトを作る」だけではなく、失敗も糧にしながら「AIプロダクトをビジネスの成果に繋げる」ことを実現します。「AIを営業プロセスに組み込みたいが、具体的な進め方が見えない」「会話型AIを導入したが成果に繋がっていない」という壁にぶつかっている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

2016年の設立から急成長を続け、現在は従業員数約180名、売上高300億円規模へと拡大している注目の不動産ベンチャー企業です。
TAPPという社名は、Turn A Profit Partnerを略したもので、お客様にとって「利益を生み出すパートナー」でありたいという会社の存在意義を表しています。企業コンセプトは、豊かな未来を描くお客さまに選ばれ続ける事業づくりです。それを実現するために、お客様に信頼いただける行動と結果を追求していきます。またこれまで培ってきた資産形成ソリューションと利他の精神で、社名に込めた想いに恥じない企業活動をお約束いたします。
https://tapp-co.jp/

ウェビナーアーカイブ
「あかりAI(β版)」の提供開始を記念し、本サービスを提供する株式会社TAPPと共に、開発の背景から技術的な部分、実際の体験も含めたウェビナーを開催いたしました。会話型AIプロダクトの開発にご興味のある方はぜひウェビナーアーカイブをご覧ください。
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